確定拠出年金推進協会 代表理事の藤田雅彦です。
2022年の確定拠出年金法の改正により、60歳を過ぎた方もDCに加入できるようになりました。それはそれで、良いことだと思います。今どき、70歳まで働く人も少なくありません。注意点は、60歳以降に加入された方は、加入してから5年間は受け取れないという点です。例えば、65歳まで企業型DCに加入できるという規約の会社に62歳で入社して、加入者となった場合、65歳になるまで積立てをして65歳で退職したとして、67歳にならないと受け取りができないことになります。ちなみに、受取りは75歳まで遅らせることができます。
60歳を過ぎた方のDC加入について
企業型DCの導入を検討する際、企業型のタイプを完全選択制にするのか会社拠出+選択制にするのかで迷われることもあると思います。
完全選択制であれば、従業員個人個人が企業型DCに加入するかしないのかを自身の判断で決めることができるので、高齢の方は加入しないという選択をすることができます。問題なのは、会社拠出を付ける場合です。
先ほどの62歳で入社した方の例では、会社拠出ありの場合、選択の余地なく加入者となります。例えば、会社が3,000円追加で拠出する場合、3年間ありますので、3,000円×12か月×3年=108,000円積立てられます。実は、資格喪失(加入資格を喪失する年は、この会社の場合65歳になった時です)を喪失してからは、事務費が自己負担となります。運営管理機関にもよりますが、月に400円程度かかるところがあります。すると、65歳から67歳までの2年間、400円×12か月×2年=9,600円が運用資産から差し引かれることとなります。
上記の例の方なら、まだ良いのですが、64歳で入社した人がいたとします。すると、3,000円×12か月=36,000円積立てられます。一方、事務費は4年分、400円×12か月×4年=19,200円となり、ほとんど残らなくなってしまします。
リスク回避のためにできること
このような悲惨なことにならないために、高齢者には、加入者としないことができる措置が設けられています。但し、他の人には、3,000円払っているのに、加入者とならないために会社から3,000円出してもらえないというのは不公平ですよね。そこで、企業型DCとして3,000円を出さないが、給料を3,000円上乗せしてもらえれば、不公平感は無くなります。このような措置を「代替措置」と言って、高齢者に対して認められているのです。
では、何歳以上を高齢者というのでしょうか。企業型DCにおいては、50歳からを高齢者としています。
会社拠出+選択制を検討される場合は、高齢者のことを意識して、「代替措置」を検討されることをお勧めします。