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かしこい運用商品の選び方 その③

インフレに強い金融商品とは?
前回は、インフレや金利上昇の局面では、預金や債券などの金融商品について注意が必要だというお話をしました。
では反対に、インフレに比較的強い金融商品には、どのようなものがあるのでしょうか。
今回は、確定拠出年金の運用を考えるうえでも重要な「株式」を中心に考えてみたいと思います。

インフレになるとモノの値段が上がる
インフレとは、モノやサービスの価格が継続的に上昇することです。
例えば、現在200万円で購入できる自動車が、物価上昇によって204万円、210万円と値上がりしていけば、同じ200万円を預金として持っていても、以前と同じものを購入できなくなります。
これが、前回までご説明してきた「お金の購買力が低下する」ということです。では、インフレに負けないためにはどうすればよいのでしょうか。
一つの考え方が、物価上昇とともに価値が上昇する可能性のある資産を持つことです。

インフレに比較的強い代表は「株式」と「不動産」
インフレに比較的強い資産として、一般的に挙げられるのが、株式と不動産です。
不動産の場合、物価上昇に伴って土地や建物の価格、賃料などが上昇する可能性があります。自分で不動産を購入しなくても、REIT(不動産投資信託)を利用すれば、少額から不動産へ投資することもできます。
そして、確定拠出年金の運用で特に重要なのが株式です。

なぜ株式はインフレに比較的強いのか?
株式は「企業の一部を所有する」という金融商品です。
物価が上昇すると、企業は原材料費や人件費などの上昇分を商品やサービスの価格に転嫁します。
例えば、これまで100円で販売していた商品を110円に値上げし、それでも販売数量を維持できれば、企業の売上も増加します。
さらに、企業が生産性を高め、利益を増やすことができれば、企業価値の上昇を通じて株価にも反映されることが期待できます。
もちろん、すべての企業が値上げに成功するわけではありません。
コスト上昇を販売価格へ転嫁できず、利益が減少する企業もあります。したがって、「インフレになれば必ず株価が上がる」ということではありません。
それでも長期的に考えれば、企業は物価や賃金の上昇に対応しながら成長していく存在です。
そのため、株式はインフレに比較的対応しやすい資産の一つと考えられています。

DCでは「株式型投資信託」を活用できる
企業型DCでは、個別の株式を直接購入するのではなく、「株式型投資信託」を利用するのが一般的です。
例えば、国内株式型、先進国株式型、全世界株式型、新興国株式型などの商品があります。
一つの投資信託を購入するだけでも、多くの企業へ分散して投資することができます。
特に企業型DCは、20年、30年という長期間にわたって積立投資を続けることができる制度です。
短期的な株価の上げ下げだけを見るのではなく、世界の企業が長期的に成長していく力を利用して資産形成するという視点が重要になります。

「元本が減らない=安全」とは限らない
ここまで3回にわたってインフレについて考えてきました。
インフレの時代には、「値下がりすること」だけがリスクではありません。
預金などで元本が守られていても、物価がそれ以上に上昇すれば、お金の実質的な価値は低下します。
つまり、「元本が減らないこと」と「資産価値が守られること」は同じではないということです。

確定拠出年金は長期にわたる資産形成です。
だからこそ、目先の価格変動だけを恐れるのではなく、インフレも含めて長期的に資産を守り、育てるという視点で運用商品を選ぶことが大切です。

次回は最終回です。

「確定拠出年金の中では、あえて分散投資しない?」という少し意外なテーマを取り上げます。
「長期・積立・分散」が資産運用の基本なのに、なぜ「分散投資しない」のでしょうか。
確定拠出年金だけを見るのではなく、預貯金やNISA、不動産などを含めた自分の資産全体で考える運用方法についてご説明します。

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